バルーンニングの概要
仮想マシンで、アイドル状態のメモリ量が多いサーバから、メモリを解放して、別の仮想マシンに割り当てる機能です。具体的には、VMware Tools をインストールした際、仮想マシンに実装されるバルーンドライバが、以下のような処理順序で機能します。
- ホストのメモリに余裕がある場合、VMkernel は、バルーンを発動させません。
- ホストのメモリに余裕がなくなってくると、VMkernel はバルーンを発動させ、未使用乃至、アイドル状態の仮想マシンメモリを優先的に選択し、メモリを負荷を発生させます。発生させた負荷分は、ホストに返却され、ホストは別の仮想マシンにこのメモリを割り当てます。
- バルーンが発動した仮想マシンは、最適なページをスワップアウトし、メモリの負荷に対応します。
- メモリの負荷が解消されると、バルーンニングは無効となり、ページをメモリにスワップインします。
resxtop を使用した状態監視
resxtop を使用して、メモリの統計上を確認する事が可能です。
resxtop を実行後、「m」を入力します。仮想マシンのみ表示するには、「V」と入力します。
10:35:05am up 1 day 9:04, 417 worlds, 1 VMs, 1 vCPUs; MEM overcommit avg: 0.00, 0.00, 0.00 PMEM /MB: 4095 total: 1068 vmk, 732 other, 2294 free VMKMEM/MB: 4077 managed: 244 minfree, 2794 rsvd, 1282 ursvd, high state PSHARE/MB: 52 shared, 43 common: 9 saving SWAP /MB: 0 curr, 0 rclmtgt: 0.00 r/s, 0.00 w/s ZIP /MB: 0 zipped, 0 saved MEMCTL/MB: 0 curr, 0 target, 374 max GID NAME MEMSZ GRANT SZTGT TCHD TCHD_W MCTL? MCTLSZ MCTLTGT MCTLMAX SWCUR SWTGT SWR/s SWW/s LLSWR/s LLSWW/s 522350 vMA 600.00 586.10 610.10 186.00 78.00 Y 0.00 0.00 374.01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00
主なメトリックの概要は、以下のとおりです。
- 「PMEM」:ホストの物理メモリの総容量(MB)
- 「VMKMEM」: VMkernel の管理対象メモリ(MB)
- 「state」: high、soft、hard、low のいずれかになります。*1
- 「MEMCTL/MB(curr)」:バルーンにより、再利用されている物理メモリの総容量(MB)
- 「MEMCTL/MB(target)」:バルーンドライバを使用して、再利用しようとしている物理メモリの総容量(MB)
- 「MEMCTL/MB(max)」:バルーンドライバを使用して、再利用可能な物理メモリの最大総容量(MB)
- 「MCTL?」:バルーンドライバが仮想マシンにインストールされているかどうか。
- 「MCTLSZ」:バルーンドライバにより、他の仮想マシン用に保持されている物理メモリの容量(MB)
パフォーマンスモニタを使用した状態監視
チャートオプションのカウンタの選択から、「バルーン」を選択します。
バルーンの状況をグラフで確認できます。
*1:high 以外は、十分な未使用メモリを維持できていない状態です。